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天官賜福(アニメ)第一期 考察メモ④「半月関編・下」

第9話「妖道之祸」~第12話「拈花夜话」

(日本版:「妖道の災い」~「花香る夜語り」)

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(目次)

・第9話「妖道之祸(妖道の災い)」

・謎の少女:柱に縛り付けられていた少女が動き出す。動きが温寧(魔道祖師)なんだが?

・湾刀厄命(オーミン):元気に動き回っているのは血雨探花の愛刀。目が一つ付いていて自我がある。※刀といえば日本では両手で持って使うものだが、世界的に見ればこれは珍しい使い方で、中国刀は片手で使用する。古代中国の処刑に使用されていた「鬼頭刀」などから刀=邪悪なものというイメージを持たせている?(「魔道祖師」でもそのような設定あり)

中国刀 - Wikipedia

・永安国(えいあんこく):半月国と争い滅ぼした中原の国。永安国は、仙楽国を滅ぼして建立した国でもある

・天官の学び舎②

べ、勉強になります……!公式からローカル文化を発信してくれるのはありがたい。今回のコーナーで紹介された澄城刺繍は、陝西省渭南市澄城県の伝統工芸で、中国(漢族)の四大刺繍とは異なり、日常の生活用品が多いようだ。コーナーの冒頭で党菊香(ダン・ジュシャン)さんが縫っているのは、オリジナル版のタイトルカットで使用されている絵のよう。欲しい……。

刺繍が発達している国は、養蚕が盛んだったことを示している(日本も同様)。日本では刺繍の縫い目には呪力が宿ると考えられ、縫い目の少ない子供服にはお守りとして刺繍を入れるといった風習がかつてあった。中国もそういうのあるのかな。

 

・第10話「半月往事(将軍と少女)」

・花(ホワ)将軍、花謝(ホワシエ):中原と半月の戦争で謝憐が校尉だったときの偽名。苗字の花は花冠武神からとった。これには花城もニッコリ。

・兜で料理

身につけている永安国の甲冑は膝下まで甲片で保護している。詳しくないので詳細は不明だが、爆薬あるって言ってたし元・明時代がベース?中国の金属製の兜は盔(かい)・鍪(ぼう)等と呼ぶ。鍪(ぼう)は元々は鍋を意味する。

日本の戦国時代では陣笠を料理の器にしたという記録があるらしいが、大戦中のドイツ軍の鉄兜でも同様の逸話があるが事実関係は確認できず。兵士の食糧は通常は兵站ロジスティクス)が準備するし、個人で煮炊きするというのは効率が悪いので作り話かなぁと思っている。しかし、確か幼い頃に中国の鉄兜が料理に使われたと書かれた本を読んだことがある気がする。うーん謎……🤔

・太子殿下のメシマズ:ビリビリのコメントでも化学兵器などと揶揄される。コラボカフェでは太子殿下イメージメニューとして「紫色の謎の汁」が出された。激辛の魏無羨と違う路線をいくメシマズ。因みに三郎は食べても平気。

・太子殿下についてくる半月:小さい子につきまとわれられるのはこれが初めてではない。

・タンバリン:永安国の少年が持つ楽器。最近はタンブリンって呼ぶらしいですね……(ジェネレーションギャップ)。

タンバリン - Wikipedia

・半月(バンユエ):半月国師の名前。国の名前と同じ。

・捆仙索(こんせんさく):霊力のある者や妖魔鬼怪を縛ることができる縄。捆仙縄ともいい、封神演義をはじめとして中国ファンタジーではおなじみの道具。作品ごとに形や用途が違うが大体似たようなことに使う。扶揺が半月や刻磨を束縛するのに使用した。

・天官の学び舎③:今回は新粉細工。オリジナル版では「面塑」という。

紹介されている職人は張書嘉(チャン・シュージア)さん。謝憐を作っているようだが、完成したところは見せてもらえない。ぐぬぬ

 

・第11話「沙埋功过(砂に埋もれた功罪)」

・31分あります:31分あります。尺の振れ幅がすごい。

・挨拶してくる:挨拶(鬼のやりかた)。両刃(中国剣)と片刃(湾刀・サーベル)では戦い方が違うため慣れていないと相手にするのは難しいだろう。

・では本人でなければどうだ?神官や鬼は自分の分身を作ることができる。分身は本神(本尊)より力が弱い。

・裴宿(ペイシュウ):3話で宣姫を捕まえに来た白い服の神官で、裴茗の傍系の子孫。もともとは永安国の武将だった。ここでは阿昭という分身を作り暗躍していた。よく見れば、声優が同じ増田俊樹

・半月をいじめる子供たち

吹替では「気味の悪い奴」とふわっとした言いがかりだがオリジナル版けっこうキツイこと言ってる。英語字幕に至ってはFワード。中国で昔からある子供の髪型といえば唐子(前髪や横髪の一部を残して丸坊主にする髪型)があるが丸坊主ってあるんですかね?

・裴宿が半月に渡したハンカチ(手帕)

今回の話のラストで、半月が縛られていた柱の下から謝憐が拾い上げた布。

ふたりの女性神

◆右側:風師(フォンシー)。名前は師青玄(シー・チンシュエン)払子(ほっす:仏教僧が煩悩障碍を払うための法具)を持った神官。中国ファンタジーだと払子は武器になりもする。

吹替版では南風が「気づくわけがないでしょう。”彼”の普段の姿とは……」と言ってしまっているので、普段は男性の姿をしていることが分かる。(オリジナル版では南風は「她(彼女)」と言っている。※「彼(他)」も「彼女(她)」も中国語では発音が同じ

◆左側:黒い衣の女性は現時点では明かされないが、三郎の見立てでは「五師(ごし)のうちの誰かだろう」とのこと。

・五師(ごし):自然を司る上天庭の神で、風、水、雨、地、雷の五柱。ちなみに雷は本作には登場しない。

・ここ!ここの三郎の顔!!

黒い衣の女性を見つけた三郎は、薄ら寒い笑みを浮かべる。ここのアニメの描写めっちゃいい~~!この表情の理由については日本語翻訳2巻で分かるので是非読んで欲しい。日本の初回放送時は二巻発売されてなかったので見返すと楽しい。

・風師が半月関に来た経緯:6話で謝憐が通霊陣に入って半月関のことを神官たちに聞いた時、風師が功徳を撒き散らしていたことを覚えているだろうか。あの時、姿は見せなかったが風師も謝憐の話を聞いており興味を持ち、半月関へやってきた。

・風師の後ろ盾:風師の実の兄で、先に飛昇した水師である師無渡(シーウードゥ)のこと。
・太子殿下の料理ときいて青ざめる南風

聞いた瞬間青ざめ、通霊陣から連絡が入ったということで脱兎のごとく行ってしまう。顔色が太子殿下の料理と同じ色になってますよ?太子殿下と花城を二人きりにしてでも逃げる部下。南陽将軍の配下の神官がなんで太子殿下の料理の破壊力を知ってるんですかねー(棒)。
・三郎と呼ばれたい花城:「郎(ラン)」は清以前の中国において妻が夫を呼ぶ際の呼び方の一つ。鬼花婿の宣姫も、オリジナル版では裴茗のことを「裴郎(ペイラン)」と呼んでいる。

 

・第12話「拈花夜话(花香る夜語り)」

・12話:オリジナル版ではナンバリングはなく「特別篇」とされている。

・「太子殿下」:謝憐が「他の人からそう呼ばれるのとは少し違う」と言っているのは、他の神官は嫌味で太子殿下と呼んでいることが多いため。

「なりすましてはいない」:本当に花婿だったんですけど?という花城。よく検閲通過できたな……。

・私は万人を救いたい:原作では「私は衆生を救いたい」というセリフ。

・「本当の姿を見てみたい」:謝憐にそう言われてもすぐには答えない花城。「機会があれば見せる」と言いつつも、自分の本当の姿に自信がないため、もし本当の姿が醜くても見たい?と聞いている。確認したあとで、「今度会うときは本当の姿で」と言っている。

・血雨探花の交友関係:黒水沈舟とは仲がよく(?)、青灯夜遊のことは嫌い。

・金剛石の指輪:三郎が謝憐の首にかけていった指輪。

・ED:最高。李豪凌監督ありがとう…

 

シーズン2はこの日から数日経過したところから始まる。2023年10月から放送中です!