下郡中のログ庫

下郡(しもごおり)と中(あたる)のログ保管庫

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

◆中庭のふたり/ハピコニ

コンスタンツェは貴族令嬢であるから、今日という日をそれなりに楽しみにしていたのである。けれどハピがくるりと背を向けた瞬間、その手を取ってついてゆく以外の選択肢は頭の中から消えてしまった。どうして、と疑問に思う余地もなく。 あっちは楽しそうじ…

◆ゾルタンの剣/フェリ+先生

先生は困惑していた。生まれてこの方傭兵以外の生き方を知らない身で、ひょんなことから士官学校の教師になったはいいものの、当たり前だが苦労の連続である。授業の仕方から戦闘の指揮、生徒のメンタルケア辺りまではまあ理解できるものの、どうして落とし…

◆日常/バルタザール

とある書物によれば、人が想像し得る範囲の出来事は実際に起こり得るのだそうだ。 随分と昔、まだ己が貴族の跡取りとして教育を施されていた頃の話だ。そんな馬鹿な話があるか、と読んだ当時のバルタザールは思ったものだが、いざこれまでの人生を振り返って…

◆さよならも言わずに/アネット(FEH)

アネットが親友のメルセデスと共にこの世界へ呼ばれた時、戸惑う二人に召喚師と名 乗る人物は「ディミトリもいるよ」と安心させるように言った。だからなんだ、と いま思い返せば思わなくもない。ディミトリが此処にいることと、 親友と二人で買い出 しに行…

◆シルヴァンがお菓子を手作りするタイプのシルフェリ(お題)

このところ、幼馴染の弟分が妙にやさしい。いや、やさしいと言うのは少し語弊があるかもしれない。相変わらず素行は尖っているし、口は悪いし(なんせ人の顔を見ればやれ軽薄が服を着ているだのやれ不真面目が歩いているだのと随分な言い草なのだ)、手合わ…