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時光代理人 考察メモ⑦「消えた息子」

#7「消えた息子」(中国タイトル「寻子」)

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09PZ8J99D/ref=atv_dp_share_cu_r

・名言

You have to be ready for luck. ——Neil Leifer

(運を味方につけるには準備が必要だ。)

Neil Leifer - Wikipedia(1942~)

ニール・ライファー。スポーツ写真家。

 

・作画スタッフ

脚本(剧本)は李豪凌、絵コンテ(分鏡)は陈绍宇(陳紹宇)。

麦冬映画スタジオと鉛元素スタジオの再登場と、新たに肆鳞映画がクレジットに。

肆鳞映画的微博_微博

 

・「あの晩」

「あの晩以来陸光とは話をしていない」という冒頭のモノローグ。ビリビリ動画のコメントでは『あの晩』に反応する黄色いコメントが多数見受けられる。(黄色は中国では猥褻や卑猥を意味する色で、エロいシーンや邪な考えが過った際に自己申告のように黄色いコメントが溢れ返る)

日本では腐女子自重しろと言われる行為だが中国は割と自由。

 

・寻子

原作タイトルの寻子は、「尋ね人」のこと。#7~#8は、中国で問題となっている子供の誘拐がテーマ。

 

・タピオカミルクティー

中国でタピオカミルクティーは「珍珠奶茶」という。日本でも大ブームが起きていたが、中国でもブームになっていた。お茶の種類、甘さ、トッピングなど選べる様になっており、コーヒーショップ並に注文が難しい。

レジの料金を見ると¥95.5となっている。人民元(CNY)で100元はおよそ2,000円。高くね…?いくつ買ったんだ。

あと関係ないけど並び方気になっちゃう。列は道いっぱいに広がらずにちゃんと整理して…!

 

・特撮ヒーロー

中国にも特撮ヒーローいるんだ?と思い調べたところ、中国制作の子供向け特撮ヒーロー番組は存在する。有名なのは2008年の「鎧甲勇士」で、平成ライダーとゴレンジャーを足して2で割ったようなデザイン。陰陽五行の要素を加えた5色展開で、パクリでありながらスーツや設定のクオリティーは高い。多分日本での放映はできないだろう。

特撮内では「ウルトラマン」は特に人気。また、2022年には「ドンブラザーズ」が中国でも公式放送された。なんで?

 

・子供の誘拐

中国では児童誘拐が多発しており、その件数は年間20万件とも言われている。(外務省のホームページに記載されている立件数は2021年中2,860件となっている。)その主な目的は物代金ではなく人身売買である。

人口の爆発的な増加を抑えるために1979年から2014年まで行われた有名な政策「一人っ子政策」により社会構造に歪みが生じている。政策に従わず第2子を出産した場合には、通常年収の3~6倍にあたる罰金などが科された結果、“1人しか子を持てないのであれば、いつか嫁いでしまう女児よりも、老後の面倒を見てくれる男児が(お金を出してでも)ほしい”というニーズが農村を中心に広まり、人身売買が横行した。

(なら女児なら誘拐されないのかというとそうでもなく、臓器売買を目的とした人身売買もあとを絶たない。)

罰金を逃れるために戸籍を登録されていないいわゆる「黒孩子」(いわゆる闇っ子)も1,300万人以上いると言われている。

過労も相まって母親が心を壊してしまった描写から、たった一人の子を事故や誘拐で失った親の気持ちは計り知れない。
一人っ子政策 - Wikipedia

 

違う作品だが「羅小黒戦記」でも、地下鉄で運ばれる主人公の小黒(子供)を見た一般人が「誘拐ではないか」と疑うシーンがあった。すぐ誘拐を疑うほど、中国ではよくある光景なのかもしれない。

 

・警察の協力

検閲もある都合、行政側を悪役として描くことはなさそう(問題のあるストーリーは書き直しが指示される)。「再会作戦」と呼ばれる警察の誘拐捜査が2009年から展開されているようだ。

5歳で誘拐された娘が28年ぶりに親と対面 中国の警察が取り組む「再会作戦」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 

・連続殺人事件の被害者

被害者No.4 柴才

被害者No.1 エマ(ここでは本名の呉 麗華と記載されている)

被害者No.6 楠幽 生年月日からすると二十代だが現場写真は日本の制服に似ている。

被害者No.8 赵霖

年齢を見るとかなり若い人物を狙っていることがわかる。No.7の被害者の資料が足りないということだが、これは今後の伏線だろうか。

 

・おにぎり?煎餅?

尋ね人広告を電柱に張りながらおにぎり(?)を食べる李亮。見えづらいが煎餅かも。

 

・監視カメラの動画

王老師(老師は年上の「先生」のような意味)からもらった監視カメラの映像が次から次へと横流しされていく。メッセージの文末に「謝謝」を付けるのが中国の基本マナーで、日本で言う「どうぞよろしく」に近いイメージか。李亮のセリフが「ありがとう」となっているけれど、この映像から手がかりを探して欲しいと頼む場面なのでお礼をいうのはまだ早いのでは。

ていうか小時と陸光の仲直りクッソ早くて笑う。決裂回避おめでとう…

 

監視国家といわれる中国には監視カメラが1億7千万台あるといわれ、世界で最も多いという。その気になれば顔認証システムで国内の人間の動きを把握することができる。

中国政府は国民を監視するため大量の顔認識カメラを導入したりDNAデータベースを構築したりしていると入札文書から発覚 - GIGAZINE