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時光代理人 考察メモ㉔「不能没有好哥哥」

#Ⅱ-12 中国タイトル「不能没有好哥哥(CAN'T LIVE WITHOUT A GOOD BROTHER )」

日訳:お兄ちゃんなしでは生きられない

好哥哥は直訳すると”良い兄”だが、天希目線のタイトルだし、悪い兄に対してお兄ちゃんとは言わないので日本語的には「お兄ちゃん」で十分かなぁ。知らんけど。

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注:鬼のようにネタバレしています(視聴後の閲覧を強く推奨します)

まだ続いてほしいがゆえに「これもうちょっと続くんじゃね…?」というなけなしの前話考察も虚しく12話でシーズン2最終話を迎えました。完结撒花!感谢陪伴!

しかし伏線も沢山残っており、かつ今回も衝撃的なラスト。シーズン3が待ち遠しい~~~!そして日本語版の放送も早めにしてほしい。早く皆見て。

追記:日本語版シーズン2放送おめでとうございます!2024年4月10日25時25分~

考察を見返すと予想通りだった点もあるがそうでない点もあるので加筆修正をしていくべきと思うが、当時の勢いだけの思考と感情は残しておきたい気もする。

 

・作画スタッフ

脚本(剧本)は李豪凌、絵コンテ(分鏡)は陈绍宇(陳紹宇)、叶子。

 

・ラストステゴロ

やはり8発~9発装填のトカレフ系だったのか弾切れのため防弾チョッキを捨てて肉弾戦になる。トカレフは貫通力が高いことで有名で、銭進が装備しているチョッキもかなりグレードが高そうに見える。予備の弾(マガジン)ないんか?

小時&陸光VS銭進、そして肖力VS銭進。好きすぎる。それにしても、撃たれてるのにそんなに動いて大丈夫か?

今回は陸光も小時と息を合わせた格闘をしていたが、8話の喬苓の弁では「以前思文師匠の練習を受けた時はパンチもキックも習得しなかった」とのことだが……?(小劇場8話、11話を参照のこと)

 

・紙銭を燃やす

「次の清明節に陳彬と王娟のために紙銭を燃やしてやるよ」そういえばあなた、陳彬の葬式に花輪を贈ってましたね。そこはちゃんとやるんだ……(ツッコミどころはそこじゃない)。

清明節とは日本のお盆にあたる行事で、その名の通り二十四節気の「清明」の頃に行われる。文革の際に様々な宗教行事が廃止されたようだがこれは残っている。

清明節 - 维基百科,自由的百科全书

行うことは地方によって様々だが、福建省広東省などで冥銭(紙銭)を燃やすという古い習わしが残っているようだ。魔道祖師で習った。

 

・周老師とは誰だったのか

顔は映らないが、劉蘭が離婚調停の相談をしていることから弁護士であると想像できる。劉蘭は、子供がまだ幼いことや、天希に障害があるため一人で育てていけるかどうか不安なようだ。

 

・李天希が喋れなくなった理由

両親が離婚してしまうことを子供ながら察した李天希は「パパとママが離れ離れになってほしくない」「パパとママは私がいらないの?」と泣きつく。それを聞いた劉蘭は「パパとママはどこへも行かない」と離婚する考えを改め、「今日見聞きしたことは誰にも言ってはいけない」と李天希と約束をした。喋れなくなったきっかけはこれだろうか。

というか眼を塞ぐこのフィルムに写る人物に心当たりがないんだけど、劉蘭……?S1のOPでも小時の眼はフィルムで覆われていたことを思い出す。設定集にあの意味の解説があったが、あれは「陸光は見えているが、小時はこの話の方向性が見えていないことを表現したかった」そうです。李天希のこのカットは、母の言葉に目と口を奪われ、過去に囚われている描写だろうか。

李天辰の過去回想で劉蘭は腹部に刺されたナイフが抜けているが、これまで警察が提示してきた犯行現場の写真では劉蘭の腹部にナイフが刺さったまま亡くなっているため、結末は変わらないものの多少の過去改変が起こっている。

 

・光へ向かう李天希と、闇へ向かう李天辰

S2-5話でも光と闇の対比があったが、ここでも。S2-9などで語られた昔話になぞらえ、「森で迷子になった二人の狐はお家に帰れたのか」という問いのアンサーになっている。やめろ……こういうのに弱いんだ私は……。

 

・お家へ帰った李天希、能力者の能力の引き継ぎ?

おかえり……(´;ω;`)ブワッ

今際の際に触れた喬苓は、李天希から写真に関する能力を受け継いだような描写、そして天希の記憶を読み取った。その際、10話で李天希が陸光の写真から彼の記憶を読み取った際の記憶も喬苓へ転送されているため、陸光が見た「小時が死ぬ情景」を喬苓も見ることになった。

能力を「奪う」李天辰に対して、「与える」李天希という対比となっているように見える。

10話で陸光の記憶を読み取った際は、李天希は泣いていた。腹の傷えぐられた痛みの共感(シンパシー)かと思ってた。陸光の記憶は泣くほど辛いものだったのだ。

S2-1話で赤眼に乗っ取られた喬苓が「私は騙せても”彼女”は騙せない」と言っていたが、「彼女」とは李天希のことだったんだなぁ。

因みに、三人の能力発動時の瞳の色は誕生花と一致しているようだ。(設定集参照)

小時:雛菊(黄色)

陸光:勿忘草(青)

喬苓:風信子(ヒヤシンス)(白)…ヒヤシンスは様々な花色があるが、鉱物のジルコン(和名は風信子石)のベーシックな色である白色がイメージされている?イラストでは赤いヒヤシンスが描かれている。

 

・陳彬の遺言

病院を飛び降りる直前、陳彬の心残りは夢に見た娘の成長を見守れないこと。「毎日学校を送り迎えする」というのは治安の良い日本以外ではごく標準的なことだが、ここまで娘を望んでもし生まれて来たのが息子だったら息子さん可哀想だな、と思った。

 

・公式設定美術集(設定画集)

そういえば公式設定美術集が発売されたので入手。とにかく美、でした…(語彙力)。
一部のキャンペーンやコラボイラストは画像のように折り込みポスターのようになっていて見やすく工夫されている。太天才了。

もちろん、イラストだけでなく作中の美術設定やスタッフのフリートーク、彩蛋(おまけ)のネガ風フィルムやイラストカード等、内容は盛りだくさん。

 

・帽子の男(劉梟)

ティザービジュアルにいたのに登場が最終話って!

次Sの老板(BOSS)の貫禄。海外から帰ってきたとのこと。そういえば陸光と小時も大学時代に二人で海外へ行っていたことがある。関係あるかな。

劉旻のスマホは彼の元へ。生き残った李天辰と共に次のステージへ。

家族を失い李天辰はもう失うものがない。母親のスマホも捨ててしまった(7年前のスマホにしては薄型だったなぁ…)。S1最終話もエマがスマホを捨てるシーンがあり、飛び降りとスマホ廃棄はノルマか?と思ってしまった。今後彼は何を求めるのか。劉梟の出で立ちはどことなく神父のようにも見えるデザイン。李天辰を導く(操る?)役割を意識しているんだろうか。

 

・特殊ED「Mastermind」

12話のみのエンディング曲で完璧な衝撃を与えてくれました。

以下歌詞と機械翻訳をいじった適当和訳

Time is a hypocritical construct(時間は偽善の構築物)
Righteously it wipes out all of us(当然のように俺達を一掃する)
But I keep rising back from the dust(でも俺は塵の中から立ち上がり続ける)
(Again and again again and again)(何度も何度も何度も何度も)
无数碎片 不停缠绕相连(無数の破片が 絡み合い繋がり続ける)
 
The shadows they whisper in your head(頭の中で囁く影)
I let them linger and you will like it(奴らといると気に入るだろう)
You're tied on my strings like a puppet
Before you even notice(お前は気づかないうちに操り人形のように俺の糸で縛られている)
I made a deal with the demons(悪魔と契約したんだ)
I crave the feel of true desire(本当の欲望を感じたいんだ)
There's nothing real 终究走向黑暗(本物なんてないんだ やがて暗闇に走っていく)
Listening all your desperation sounding like a song(歌のような絶望を聞きながら)
Destiny is just my game but is all you counting on right now(運命はゲームに過ぎないのにお前はそれを頼るのか)
Joining the game(ゲームに参加して)
Killing spree I'm enjoying the game(大虐殺を楽しんでるから)
So get ready I'm here(俺はここにいるから)
Get ready for it for it(覚悟を決めろ)
 
Again and again again and again(何度も何度も何度も何度も)
 
Take my hand let's set this world on fire(俺の手を取って世界に火をつけよう)
Light it up for the show(ショーのライトアップをしよう)
Pain will get to you when the night arrives(夜になると痛みが襲ってくる)
Like the hunter when a prey lies(獲物が横たわった時のハンターのように)
It's just how the world's like(世界はそんなもの)
 
Dadadada dadadada(ダダダダ ダダダダ)
Got nothing holding me back(俺を止めるものは何もない)
Dadadada dadadada(ダダダダ ダダダダ)
Mastermind stays in the dark(黒幕は暗闇の中にいる)
Let my flame be your redemption(俺の炎をお前の贖罪にしよう)
If you ever get helpless(もしお前が無力になったら)
Just take it in and we'll have some fun(それも受け入れて楽しもう)

 (以降2番)

在雷鸣之间 我不计代价(雷鳴の中何があっても気にしない)
承受无限电压 太蛊惑的力量(無限の電圧に耐える蠱惑的なパワー)
在每个时间都呈 现我推演结局(毎回提示される推理の結末)
没人能改 变或阻挡(誰も変えられない 止められない)
You're down on your knees cus you can feel the pressure when I'm taking over(お前は俺が奪うことを恐れ跪いている)
Ain't no too hard to see so you better believe(難しいことじゃない 信じて)
我就是唯一信仰(俺が信じているのは俺だけだ)
 一切熟悉的全坍塌(見慣れたものは全て壊れた)
棋盘上未知的玩家(盤上の見知らぬプレイヤー)
Joining the game(ゲームに参加して)
Killing spree I'm enjoying the game(大虐殺を楽しんでいるから)
So get ready I'm already here(俺はもうここにいる)
Can't you see it's a checkmate uh(チェックメイトが分からないのか?)
 
Take my hand let's set this world on fire
Light it up for the show
Pain will get to you when the night arrives
Like the hunter when a prey lies
It's just how the world's like
 
Dadadada dadadada
Got nothing holding me back
Dadadada dadadada
Mastermind stays in the dark
Let my flame be your redemption
If you ever get helpless
Just take it in and we'll have some fun

 

・今期のクリフハンガーと陸光のスマホロック番号

呵!?!?!?(言葉にならない感想)

一ヶ月後。季節は移り変わってすっかり秋模様(11月下旬頃のはず)。小時の退院祝いパーティを写真館で行うラストシーン。和やかなラストかと思いきややはりそこは時光代理人、このまま終わるはずもなく。笑顔でケーキを頬張る小時を見る陸光のモノローグは、今現在が彼が過去を改変して得た結果であることを示唆するものだった

これまで小時の過去の深掘りはあったが陸光についてはほとんどなく、視聴者をどんどん不安にさせてきたが、ついに。

仮説:能力者が死ぬ際、触れていた相手にその能力が移る。陸光は、死んでしまった小時から能力を引き継ぎ、その能力を使って時間を遡り過去を改変したと思われる。S2-2で「能力を奪う能力」について聞かれた時の何か知ってそうな陸光の表情はこの仕様を知っていたからか。S1から所々矛盾したことを言うので思っていたが、やはり「信頼できない語り手」だった。

ネットではもともと陸光は未来から来たのではないかと言われていたので納得する部分もある。過去の改変に関する仕様にやたら詳しいのは自分で経験したからだったのか。

「最后的机会(最後のチャンス)」と言っているのは、使える写真が最後だったから?何度やり直したんだ。お前いつから暁美ほむらだったの?だから年齢が???なの?「不论过去,不问将来」と口酸っぱく言いながら、当の本人は数え切れないほど過去を変えているってこと???小時の顔見ながら心のなかでいつも謝っていたと考えると胸が詰まる……。

S2-1話で、陸光が死んだと思った時に小時が思いとどまったラインを余裕で超えてる対比がすごい。S1-2話の「案外子供っぽいんだな」が効いてくる。

能力者について、詳しいことは作中で殆ど語られていない。一つずつ明らかになってくることでピースが繋がっていき、これまでの話を見返すと新たな発見がある構成がすごい。最近の日本のアニメ作品と違って説明が極限まで少なく、考察の予知が多いのもこの作品の魅力だと思う。

腕時計に表示された時間は、年号がぼかされているが「9月13日0時5分」。血に濡れた小時と陸光の衣装はS1のもの。そして、8話で明らかになっていた陸光のスマホロックの番号は「091305」。そういうことか。やっぱり1話のあのシーンに繋がるんだ。

とすれば、少なくとも9月13日までに小時は一度死んだことになる。どこで、どうして?

S1-1「EMMA」9月?日

S1-5「告別」10月6日(陸光の腕時計)

S1-7「寻子」10月13日(陸光の腕時計)

S1-8「错失的讯号」10月15日?(董易の腕時計)作画ミス?

S1-11「圈套」10月22日?(陸光の腕時計)

考えられるのはやはり、9月といえばS1-1話のエマの事件。報道のシーンで9月と伝えられていたし、陸光の「最初からやりなおす」、という話にも一致する。そういえばS1-12話でエマも「それができるなら”最初”からやり直してよ」と言っていたなぁ。陸光の”最初”っていつだろう。

S1で陸光がエマが亡くなったという報道を頑なに隠していたのは、この報道を小時が知ったことが原因で小時が死んでしまったからなのか?

死が避けられない運命だと解っていても、小時を救うために、時間を遡り過去を変えた陸光。今後も助け続けるつもりだろう。え、エモ……。そういう事情を踏まえてOPや本編を全て見直すと、意味が変わってくるシーンがいくつもある。本当に上手い構成だな~。

過去を変えて大切な人を救いたいという李天希と陸光は根本が同じであることになる。同じだからこそ陸光に写真を託したのかな。そして陸光も彼を否定できない。

小時は「死」というファイナル・デスティネーションがつきまとっているということか。S1で陸光が小時のことを「存在感が薄い」と言っていたのはそういうことなの……?小時の両親の失踪の真相もわからないし、まだまだ時光代理人の話は始まったばかりという感じ。

 

劉梟のいう「全ての不確実性を確定させるためにより多くの平行線を集める」という、裁定者気取りの意味深な発言も今後この話に絡んできそう。これまでも「バタフライエフェクト」という単語は出てきたので、これから本格的に平行世界の話になるのかな。

S1でもたった一通のメッセージがエマの運命を変えた。シュタインズゲートのように、様々な世界線を移動する話になったりするのかもしれない。全員幸せになってくれ……。

 

今Sもまた最終話でメンタルぐちゃぐちゃにされた状態で次Sを待つ羽目に。ありがとう監督、とりあえず健康に気をつけて早めに次S頼みます。

来月(10月)からは天官賜福のシーズン2が始まるので大忙しだなぁ。

SNSで公開されたS2完結記念のイラストでは、劉梟が持っている木偶と李天辰が同じポーズをとっている。

 

・S3予想とか気になることメモ

予想:肖力が対能力者特殊チームの責任者として続投し事件の解明にあたるということなので、今後も警察の捜査に協力していくことになりそう。(陸光は嫌がるだろうけど)喬苓が能力を手に入れたので、これがきっかけで陸光の秘密が暴かれて行く感じかな。

・程小時の両親はなぜ突然失踪したのか

・程小時の能力はいつどのようにして発現したのか

・S1-7「寻子(消えた息子)」にて、警察から連続殺人事件の7人目の被害者の資料がなくなっている。この件について、いまだ言及されていない。

・S1-12でエマが飛び降りた時と陸光が喬苓に刺された時はほぼ同時なので、李天辰の他にも相手を操る能力者がいる可能性がある。

・S1-12ラストで「死は改変できない分岐点のはず」と陸光が驚いていたが、自分は小時の死を改変しているのでは?死を回避するには特別な条件が必要?

・連続殺人事件は本当に無差別殺人なのか?(能力者を殺せば能力を奪えるということが分かったため、能力者を狙った殺人である可能性が出てきた)

・喬苓が李天希から受け継いだ能力の詳細

・陸光が行った改変とは。(どの写真を使ったのか)

・劉旻のスマホにはどのような秘密があるのか。

・劉旻の弟である劉梟の目的や能力の有無。